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なよたけ
なよたけ
加藤 道夫
「三田文学 四・五月号、六月号、七・八月号、九月号、十・十一月号」1946(昭和21)年5月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,415 字 · 163 页
悪いことをしても、ちゃんと白状して、自分で本当に悪かったと思えば、いつでも許して下さるのよ。……御覧! お天道様があんなにきらきら輝き始めた。……お天道様はいい子のいる所だけしか輝かないの。悪い子が一人でもいると、御機嫌が悪くなって、曇ってしまう……。みんな、あんなあなに取っ憑かれて、悪いことをしたら、すぐに白状して、心を入れかえるのよ。分った? そうすれば、お天道様はいつでもあたし達から悪いあんなあなを追っ払って下さる。……あんなあながいなくなってしまえば、世の中がどんなにしあわせになるか分らないわ。そうすれば、もうあたし達は、つまらない事で一々あやまったり、心を入れ代えたり、こせこせ気を使ったりする必要はちっともなくなるのよ。……御覧! この数え切れない竹の木のどれにだって、あんなあなはちっともいないのよ! いつまでもいつまでも緑色に輝いて、……お天道様のおっしゃる通りにじっと身を委せている。……お天道様と同じ心を持って、しあわせで一杯になっている。……お前達もあたしもみんなこの竹の林の中に生れた。この竹の林の中で育った。あたし達はきっといまにこの竹の林の中で、とてもしあわせになれるのよ。