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ひすいをあいされたきさき
ひすいを愛された妃
小川 未明
「婦人倶楽部」1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,483 字 · 12 页
どうして、このようなみごとなものがこの世の中に存在するだろうかといわれました。
家来は、王さまのお言葉を承ってから、おそるおそる申しあげました。
「美しい、女王さまを飾るために、空から降ってきた露が、石になったものと思われます。」
王さまは、うなずかれました。
「まことに、そうかもしれない……。」
こう、いわれると、いつしか、喜びが悲しみの色に変わってゆくのが見えました。なぜなら、生ある、すべての美しいものに、いつか死のあることを思い至られたからです。
ほんとうに、妃は、麗しい、白い香りの高い花のような方でした。その目は、星のように澄んでいました。その唇には、みつばちがくるかとさえ思われたくらいです。けれど、すべての美しい婦人は、弱々しかったように、妃は首のまわりに懸けられた、青い石の首飾りの重みを支えるに耐えられないほどでした。
「私は、この青い石の重みにおされ、その中にうずまって死にたい。」と、妃は、おっしゃいました。
いかに、その姿は、小さく、美しくても、欲望に限りのないことが知られたのです。そして、それは、怖ろしいことでした。
流行は、ちょうど黴菌のように感染するものです。