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ひばりのおじさん

ひばりのおじさん

小川 未明

「せうがく三年生」1938(昭和13)年6月号

N4 · 入门 · 新字新假名 · 1,205 字 · 3 页

青空文庫

ピイチク、ピイチク、となきながら、いつものように、ひばりは、空へ高く、高く、上がっていきました。

このとき、人間の耳には入らなかったけれど、はるかかなたの空で、ピイチク、ピイチクとなき声がしたのであります。

「はてな、どこかしらん。」と、ひばりは、思いました。それで、いっそう声をはり上げたけれど、むこうの声は、すこしも近よるようすがなかったのです。

「いってみよう。」と、ひばりは、その声のする方へ、とんでいきました。青い、青い、野原の上で、二羽のひばりが、たのしそうに、とんでいるのです。

「やっぱり、野原はいいですね。」と、かごのひばりが、いいました。

「町も、にぎやかで、いいでしょうね。」

「私が、よんだとき、なぜこなかったのですか。」

「かわいい子供が、あの黄色くなりかけた麦のはたけにいますので、私たちは、心配で、どこへもいくことができないのですよ。」と、野のひばりが、こたえました。

日がくれかかると、野のひばりは、麦ばたけの巣の中へ帰りました。そこには、かわいい子ひばりが、お母さんや、お父さんの帰るのを待っていました。ひとり取りのこされたかごのひばりは、