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ほうきいっぽん

ほうき一本

宮本 百合子

「アカハタ」1948(昭和23)年1月8日号

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,198 字 · 5 页

青空文庫

和田長官は、大体次のようなことをその文章でいっている。二十二年度の勤労者家計が、前より「二〇%前後改善されていることが推測できる」そして二十三年度は「工業生産が三〇%程度の増加を期待される。生産の増加が勤労者の生活内容を改善する根本的な要素であるとすれば、三〇%の生産増加が勤労者家計を相当程度に緩和することは予想できる」生活の苦しさを解決するには「生産の復興が根本である」「二十三年をこのような復興計画の第一年としたい」と。生産復興しか日本の破滅を、救うものがないということを、一番よく知っているのは勤労者自身である。みんなは、その復興がなぜこんなに進まないのかという原因について研究し、資本家のサボタージュや、生産資材の隠退蔵に重大な原因を発見した。対日理事会でも、この点はつよく指摘されている。国会で隠退蔵物資特別調査委員会が出来たことは、政府も権力をもちつづけようとするためには、安定本部の理論数字で現実はごまかしきれないことを認めて来た証拠である。

この「昭和二十三年の勤労者の家計について」を読んでみると非常に変なところがいく個所かある。先ずはじめの方に「賃金は月々に上昇し一年間にほとんど三倍以上になった。