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みみずせんせいのうた
みみず先生の歌
村山 籌子
「働く婦人」1932(昭和7)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,399 字 · 3 页
僕達は一刻もじっとしていない。
次から次へと新らしい所へ移って行く。
君達が次から次へと新らしい事を考えるように。
僕の身体は人間とは随分ちがっている。
僕は百四十の丸い節がつながっているのっぺら棒だ。
頭の方は少し大きく
尾の方は少し平らになっている。
僕には足がない。
目もなければ耳もない。
角もない。
けれど僕の触覚は大したものなのだ。
何故と言って、
僕はそれで明るい所と暗い所の見分けがつくからだ。
僕はこんにゃくの如く骨なしだ。
そしてこんにゃくの如く弾力がある。
だからこそ僕は足がなくても、
身体を伸縮させて這う事が出来るのだ。
僕は身体の中に色々立派な内臓を持っている。
第一番に食ったものを消化する器官。
そこには食道があり、餌袋があり、
砂袋があり、腸がある。
一つの節毎に左右に腎臓がついている。
身体中には血管があり、
それを循環している血は
君達と同じ赤い血だ。
動物学者はこういうのだ。
「みみずの脳には少ししか脳みそがはいっていない」
「それはデマ(うそっぱち)だ※(感嘆符二つ、1-8-75)」と
言いたいのだが残念ながら本当だ。
そのかわりには
僕はいかなる迫害を加えられようとも
決して痛くはない英雄である。