轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わがあいするしじんのでんき(さん)
わが愛する詩人の伝記(三)
室生 犀星
――萩原朔太郎――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,406 字 · 22 页
その二、(あまりに野卑な趣味に於て、露骨に見せつけられた性慾行為は、我等にまで何の快よい色情の春景色を感じさせる事なく、却ってあの「淫猥」といふ不快至極の悪感、よって以て印象から顔を背かせるほどの悪感を起させるであらう。げに淫猥とは「色情を呼び醒すもの」といふ意味の言葉ではなくして、却って色情を氷結させるもの、それ自ら色情的不潔を感じしめるものを概念してゐる。(後略)
第二夫人と別れてから、だいぶ経ってからかれに愛人ができていた。酒の座でそれをチラと言葉にはさんだことがあったが、私はその人を見せろと迫って見ても、君の好みと反対な女だからと、固く守ってついに私には一度も会わせなかった。あれほど正直で隠すことをしない萩原が、最後まで会わさないで、愛人の事におよぶと憂欝そうに顔をそむけ、美人でないから見せないんだと言ったきりであった。愛人ができると親しい友達に見せたいのが人情だが、かれは愛人に関しては手強く沈黙をまもり、冗談にもその女のことは口走しることがなかった。私はその口固い秘色もそうあろうし、そうなければならぬことを思い、酒行の別れぎわにじゃ行って来たまえ、たまに僕の話でも出るようだったら宜しく言ってくれと、言づけて劬わりたかったのだ。