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アメリカぶんしきしつ
アメリカ文士気質
宮本 百合子
「文章倶楽部」1920(大正9)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,520 字 · 3 页
今私が言おうとする青年の同人雑誌にしても、彼方ではそういう風船玉みたいな気軽い陽気さで、つまり口笛を吹けば皆んなが集って一緒に騒ぐというようなところが本質的なものとなって、やっているのです。強ちそれが悪いともいえませんけれども、文学というものを、一般が単純に「趣味」という範囲に限られた心持で考えているということは、申されましょう。
私のいたニューヨークに、昔オランダ人が上陸した当時から開かれたガリーンウィッチ・ビレージと云う街があります。そこは芸術家の多く住む気取った一区画として知られていますが、そこの若い人々が出している『プレー・ボーイ』という同人雑誌などは、あちらの新らしい、先へ先へ行こうとする所謂「若い芸術家の群」の気分を示していると思います。詩、絵、短篇小説類を集めた大判の雑誌で、それを見ると、彼等の陽気さ、活気、或る時には茶目気をふんだんに感受することが出来ますが、英国で嘗て、ビアーズレー、エーツ等の詩人、画家が起した新運動等は、これらの同人雑誌から期待することは出来ません。
〔一九二〇年四月〕