轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

キドこうか

キド効果

海野 十三

「新青年」1933(昭和8)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,298 字 · 25 页

青空文庫

丘数夫は折りふし、孜々として机の上に拡げた学位論文にペンを走らせていたが、課長の姿を認めると、ペンを留めて元気よく声をかけたのだった。

「やあ、ようこそ、大江山さん」

大江山は捜査課長の苗字だった。

「また御邪魔に参りましたよ」課長は照れくさそうに云った。「今日は御約束の十三日でもありまするし……」

「僕も忘れやしません。ですが警視庁のお見込はどうなったんですか」

「そいつを聞かれると、大いに憂欝になるのですがねエ」と大江山課長は禿かかった前額をツルリと撫であげた。「いつかのギャング一味が邪魔になる木戸博士をやっつけたものと考えて方針を樹てたのです」

「すると――」

「ところが、どんなにやってみても、一向に駄目なんです。調べれば調べるほど、彼等ギャング一味に関係のない証拠が上ってきて、実際困りましたよ。今度という今度はネ」

「それで……」

「それで――とは痛い御言葉ですな。こうなれば、貴方の御説を拝聴するより外に、途がなくなったんです」

「そうですか」と丘助手は大きく肯いた。「では今までの行き懸りを忘れて、僕の説をお話しいたしましょう」

そういうと丘は机の上から、沢山の曲線図を抱えてきた。