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ゴルバートフ「こうふくなきたみ」
ゴルバートフ「降伏なき民」
宮本 百合子
「毎日新聞」1946(昭和21)年9月9日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 694 字 · 2 页
最近のソヴェト文学をよみたくて読めなかった日本の読者に、ゴルバートフの「降伏なき民」はうれしいおくりものであった。今年の初め、シーモノフ、アガーポフ、クドレワートウィフ等と一緒にゴルバートフも暫く東京に来ていた。ゆたかな声量と生粋のソヴェト人の歌好きのこころで「前線通信員」の活気横溢する歌をうたう、ゴルバートフ。一九一七年以後に成長して、社会主義建設の中で青年となった新しい気質のソヴェト作家が、あらゆる人々とともにナチスに侵略された自分たちの建設祖国を、どんなに愛し、護り、そのために献身したか、まざまざと伝えられる情熱をもって「降伏なき民」はかかれている。
小説の背景は、最もナチスの惨虐にさらされたウクライナ地方である。けれども、この作品は、全ソヴェトの人民がナチス侵略にあって「彼等の一番大事なもの」は何であったかを発見し、その自由と建設の防衛のためにあらゆる「偉大な人間情熱」を展開させた世紀の物語なのである。トルストイ、チェホフ、ゴーリキイ、そしてフールマノフ(赤色親衛隊)、ファデェーエフ(壊滅)と辿られるロシアの社会進展とその文学の流れは、すべての人民が、自分たちの創造物としての「我等の土地」