轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゴールデン・バットじけん

ゴールデン・バット事件

海野 十三

「新青年」1933(昭和8)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,946 字 · 46 页

青空文庫

僕はその仮定を確めるために、神戸の波止場で仲仕を働きながら、不思議な秘密の楽しみをもっている人達の中を探しまわったのだ。そして遂に私の仮定が、或る程度まで正鵠を射ていることを確めた。しかしその上で、尚実際的証人を得る必要があったのだ。それで僕は急遽東京へ引返した。そして第一番に逢って話をしたのがあの君江なのだ」

帆村はそこでまたホープを甘そうに喫った。

「君江というと、彼女は金の情婦として有名だった時代がある。私は一本釘をさして置いた上で尋ねてみた。『君はあのうまい煙草の作り方を、死んだ金から教わったのだろう』と」

「なに、うまい煙草というと?」

「そうなのだ。甘い煙草のことを訊かれて彼女はハッと顔色をかえたが、もう仕方がないのだ。先にさして置いた私の釘は、どうしても彼女の告白を期待していいことになっていたのだ。『ええ、そうですわ』と遂に君江は答えた。そこで私は云った。『煙草にあの白い粉薬を載せて火を点ける。それでいいのだろう』君江は黙って肯いた」

「そりゃ、どういうわけだい」

「なーに、これはあの劇薬を煙草に浸ませて喫う方法なのだよ。鴉片中毒者はモヒ剤だけを吸うが、われわれの場合は、ほんの僅かのモヒ剤を煙草に交ぜて吸うのだよ」