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ジストマたいじのはなし
ジストマ退治の話
中谷 宇吉郎
在线阅读中谷 宇吉郎《ジストマ退治の話(ジストマたいじのはなし)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,042 字 · 23 页
もっとも酒も煙草もコーヒーも、相変らず敬遠して、神妙にはしていた。
しかし、そういう自然療法には、やはり限度があるものとみえて、次ぎの年の春になっても、初めの予想のようには、ちょっともはかばかしく恢復しない。夏になっても、依然としてよくない。もっともその頃になると、自分では病気に馴れてしまっているので、案外平気で、時には東京へも出て行くくらいであった。しかし余所目には、だんだん衰弱して行く私の姿が、あわれに見えたらしい。
これもずっと後になって、岩波の小林勇君が芽出度い昔話としてきかせてくれた話であるが、その頃私の初めての随筆集『冬の華』を、岩波から出してもらうことになっていた。その頃はまだ気が小さかったので、小宮さんにすすめられ、かつ適当におだてられて、やっと思い切って「本を出す」気になったわけである。或る日のこと、小宮さんが岩波の主人に「中谷君の本はまだ出来上がらないかね。なるべく綺麗な本にして、生きている間に見せて喜ばせてやりたいから、少し急いでつくってやってもらえないかね」といわれたことがあったそうである。誰の眼にも、あと半年くらいというところであったらしい。