轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ジャンのものがたり

ジャンの物語

宮本 百合子

「婦人公論」1937(昭和12)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,273 字 · 13 页

青空文庫

を読んだ読者は記憶していられるだろう。国内の混乱時代に両親を失い、浮浪児となった主人公の少年サニカが、労働教育所の共同生活の訓練の間で、どのように人間としての愛を知り、技術を身につけて伸びて行くかという過程が、全巻を圧する簡明な美しさで描かれていた。そこには、ジャンの祖父、レフ・トルストイがぬけ出ることの出来なかった迷路にふみ入りながら執拗に求めていた人間性の明るさ、単純さ、健全な目的、希望等が、新たな社会的背景を前に溌剌と浮び出しているのである。心から、ジャンがそこにいたのであったらば、と思う。ジャンはこの手記を書かず、別種の思い出を書いただろうと思う。

私たちは、ジャンがこの手記を機会として機械工になりたいと云う自身の少年らしい希望を一日も速く達するような条件を勇ましく掴んでゆくことを願う。

そして、彼が分別らしく又気弱く、自分たちのような不幸な少年は他の世界への憧れや冒険心などをすてる方がよいのだなどと云っている消極性をふりすてることを希う。自身の告白を、故国への誤った悪評の材料につかわれるような恥さらしをせずに、生き抜いて欲しいと思うのである。