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ジロリのおんな
ジロリの女
前半「文藝春秋 第二六巻第四号」1948(昭和23)年4月1日、後半「別冊文藝春秋 第六輯」1948(昭和23)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,597 字 · 102 页
私は然し、こうして三人のジロリの女に狙いをつけても、決して恋愛の技術などに自信のあるものではなかった。私はたゞ目的に徹し、目的のためにのみ生きることに自信をかけていた。そして、目的のためにマゴコロをさゝげる。したがって、この御三方にマゴコロをさゝげる。私の知る口説の原理はそれだけであった。
私など本来のガラッ八で、およそ通人などゝいうものではなく、又、もとより、人間通でもない。だから、堅く天地神明に誓いをたてて御婦人を追い廻しても、悟らざること甚しく、恋いこがれ、邪推し、千々に乱れて、あげくには深酒に浮身をやつす哀れなキリギリスにすぎなかった。
もっとも、色道はこれ本来迷いの道であるが、私などはその迷いにすら通じてはおらず、こしかたを振りかえればサンタンたるヌカルミの道であったが、後世のお笑い草に筆をとるのも、今は私のはかない楽しみである。
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十九の娘の縁談などゝいうものは、男が好きだの嫌いだのと云っても、恋愛感情によってじゃなしに、全然浪漫的気分によって自分の人生を遊んでいるに過ぎないようなものだから、好きも嫌いも、ちょッとの風の吹き廻しで、百八十度にグラリと変ってすましたものだ。