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スモーリヌイにひるがえるあかはた
スモーリヌイに翻る赤旗
宮本 百合子
「大阪毎日新聞」1931(昭和6)年1月5日~21日号(15日号、19日号を除く)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,354 字 · 51 页
劇場の入口に一枚大きなビラが貼ってあった。六月十日から二週間の上演順序である。
十日――十五日。インドの子供。(三年生のために)
十六、七日。皇子と乞食。(二年生のために)
十九――二十一日。アンクル・トムの小舎。(四年生のために)
観衆の年齢に応じて、脚本の内容はだんだん複雑になって来ている。それより日本女を羨ましがらせたのは、その下の「五月二十九日からの切符配分」という表だ。レーニングラード市内各区の、小学校・ピオニェール分隊・児童図書館・子供の家・工場学校は、それぞれきまった日に、この「若い観衆の劇場」から無代の切符配分をうける、その予告なのである。
親たちは大人の劇場へ職業組合からの半額、あるいは無代の切符をもって。子供は子供の属す組織を通じて「若い観衆の劇場」へ! ここにソヴェト同盟の劇場の、晴れやかな歓びの源がある。
たとえ、或るものはまるきり無代でないにしろ、二十七カペイキの切符代で、こんな面白い、そしてためになる芝居が観られる。ソヴェトの子供は、仕合わせだ。――彼らの親、兄、姉が、そのためには血で「十月」を勝ちとったのだ。
(子供のための劇場は、モスクワにも二つある。