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ソヴェトのしばい
ソヴェトの芝居
宮本 百合子
「改造」1931(昭和6)年3、4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页
登場人物は白と黒との統一であった。「森」の舞台には、ひとすじの思い切って長く美しい線をもった木橋と、小っぽけな木にペンキを塗った門とブリキ茶罐。バラン、バランとひどい音を立てて鳴らされたブリキ板、一つのブランコがあっただけだ。銀鼠色の木綿服を着た若いアクスーシャとピョートルは、流れる手風琴の音につれて、そのブランコを揺りながら、今にも目にのこる鮮やかで朗らかな愛の場面を演じた。
第二芸術座、ワフタンゴフ劇場、カーメルヌイ劇場、諷刺劇場は、舞台を飾ることそのもののための飾りずき、衣裳のための衣裳ずきで、一度ならず行きすぎてきた。メイエルホリド劇場ではあるとき舞台装置にこりすぎる位で殆どそういう浪費の経験はなかった。
今、「舞台の美」の再吟味で、メイエルホリドは、彼の最初からの宣言を撤回していない。装置は、劇的表現の構成部分として必要以上の扱いを受けるべきではないという。メイエルホリドは、ソヴェト演劇の舞台は、がっしりよく組たてられた自動車、フォードが持つ美を、もたなければならないと、云っている。
この点について、非常に微妙な一つの面白い観察が下される。