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ディズニーのひととさくひん

ディズニーの人と作品

中谷 宇吉郎

「週刊朝日」1955(昭和30)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,273 字 · 13 页

青空文庫

などの長編漫画は、いずれも一時間から一時間半の上映時間になっている。普通の漫画映画は、原画の数を減らすために、一秒間に十二くらいにしてあるが、それではどうしても、絵がちらちらする、ディズニーは、速い動きには、普通映画どおりに二十四、遅いものでも十六ぐらいにしているので、平均二十になる。すなわち平均して、一秒間に二十枚の少しずつ違った絵を見せるわけである。

それで上演時間一時間の長編では、七万二千枚の原画が要ることになる。一時間を越える大作になると、ざっと十万枚の絵を描かなければならない。これはたいへんな数で、二百人の絵描きが、手分けをして描いても、一人五百枚描くことになる。アメリカでは、普通一年に約二百日働くので、毎日二枚ずつ描いても、一年半かかる勘定になる。

ところで厄介なことには、この十万枚の絵は、色も形も、或る一人の画工が、まったく同じ調子で描いたようなものでなければならない。一カットの中ではもちろんのことであるが、次の場面になると、ピーターパンの顔つきが少し違ったのでは、問題にならない。

それでディズニーのところでは、絵描きは画家であってはだめなので、ぜんぜん同じ絵の描ける画工である必要がある。