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ニッポンさんしゅうかん

ニッポン三週間

宮本 百合子

「読売新聞」1930(昭和5)年12月2、3日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,760 字 · 8 页

青空文庫

既に一九二七年、右翼的固執を示した労芸の内部の情勢が三年間停止している筈はない。前田河が発表するプロレタリアート文学に対する感想は、モスクワで読むからばかりでない、どこの工場の隅で読んだって明かな悲しき反動にまで発育していた。其イディオロギーを内部に於ても批判するものがあるのは当然だ。

代作問題だって、突きこんで云えば、ソヴェトでも一九二八年五ヵ年計画第一年頃非常に批判された、プロレタリアート作家の労働者農民の実生活からの分離が原因になってる。日本の先駆的プロレタリアート作家が無統制にブルジョア―ジャーナリズムに利用されることによって日常実生活の本質に於て非プロレタリアート的に堕した見本とも云える。

同じ理由で、ソヴェトの革命当時擡頭した作家が今日大衆の厳格な批判の下に立っているのだ。

――だからね、

自分はその知人に説明した。

――これをただ、仲間の泥仕合という風に嗤うのは間違いだ。まして、読んだでしょう? 中村武羅夫が朝日で云ってること。つまり、初め既成文壇の勢力がつよかったからその敵に向って塊りあってたプロレタリアート作家が、この頃安心してモロくなって分裂しはじめたんだって。