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ピムキン、でかした!
ピムキン、でかした!
宮本 百合子
「週刊朝日」1931(昭和6)年4月1日春季特別号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,906 字 · 36 页
――あら、見なアグーシャ! 今日、ピムキン、托児所見さ来るつもりだぞ。
といった。
――どれね?
――ホラ! 見ろ。ルバーシカ洗って干してんべ。
白樺が六七本かたまって生えている。わきに小流れがあって鵞鳥が浮いていた。ピムキンが黄色い半裸で、そこの草に坐っている。白樺の枝に、何色といっていいかわからないピムキンのルバーシカが古旗みたいにひっかけてあった。
ブローホフ村の医者が来る日だった。マルーシャは、しばらく遠くに見えるピムキンの裸の背中を眺めていたが、
――ぷう! 気違い!
そのまんま歌をうたいだし、せっせと子供を洗いにかかった。
暑い日になった。アグーシャははだしで裏のりんごの樹かげへ坐り、子供らの下着のつづくり仕事を膝へひろげた。
医者が来るんで、籠の寝台は庭から建物の中へ入れられた。匂うような暑い夏の午後を蜜蜂がプウーン、プウーンうなってる。
アグーシャは、そうぞうしい人声にハッとして眼をひらき、あたりを見まわした。裏庭には彼女ひとりだ。騒動は托児所の表だ。
――えーふー、あにおっぱじめた……。
建物の横をまわって入口へ出ると、びっくりして突立ってるニーナがいる。