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ファラデーのでん
ファラデーの伝
愛知 敬一
電気学の泰斗
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,305 字 · 153 页
四 タタムの講義
の章などであった。この外にリオンの「電気実験」、ボイルの「化学原理大要」も読んだらしい。
否、ファラデーはただに本を読んだだけでは承知できないで、マルセットの本に書いてある事が正しいかどうか、実験して見ようというので、ごくわずかしかもらわない小遣銭で、買えるような簡単な器械で、実験をも始めた。
四 タタムの講義
ファラデーはある日賑やかなフリート町を歩いておったが、ふとある家の窓ガラスに貼ってある広告のビラに目をとめた。それは、ドルセット町五十三番のタタム氏が科学の講義をする、夕の八時からで、入場料は一シリング(五十銭)というのであった。
これを見ると、聴きたくてたまらなくなった。まず主人リボーの許可を得、それから鍛冶職をしておった兄さんのロバートに話をして、入場料を出してもらい、聴きに行った。これが即ちファラデーが理化学の講義をきいた初めで、その後も続いて聴きに行った。何んでも一八一〇年の二月から翌年の九月に至るまでに、十二三回は聴講したらしい。
そのうちに、タタム氏と交際もするようになり、またこの人の家には書生がよく出はいりしたが、その書生等とも心易くなった。