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ベースボール

ベースボール

正岡 子規

「日本」日本新聞社、1896(明治29)年7月19日号~27日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,283 字 · 11 页

青空文庫

○ベースボールの勝負 攻者(防禦者の敵)は一人ずつ本基(い)より発して各基(ろ、は、に)を通過し再び本基に帰るを務めとす、かくして帰りたる者を廻了という。ベースボールの勝敗は九勝負終りたる後ち、各組廻了の数の総計を比較し多き方を勝とするなり。例えば「八に対する二十三の勝」というは乙組の廻了の数八甲組廻了の数二十三にして甲組の勝なりという意なり。されば競技者の任務を言えば攻者の地に立つ時はなるべく廻了の数を多からしめんとし、防者の地に立つ時はなるべく敵の廻了の数を少からしめんとするにあり。廻了というは正方形を一周することなれどもその間には第一基第二基第三基等の関門あり各関門には番人(第一基は第一基人これを守る第二第三皆しかり)あるをもって容易に通過すること能わざる也。走者(通過しつつある者)ある事情のもとに通過の権利を失うを除外という。(普通に殺されるという)審判官除外と呼べば走者(または打者)は直ちに線外に出でて後方の控所に入らざるべからず。除外三人に及べばその半勝負は終るなり。故に攻者は除外三人に及ばざる内に多く廻了せんとし防者は廻了者を生ぜざる内に三人の除外者を生ぜしめんとす。