轻松读懂日语经典作品
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マダムさだやっこ
マダム貞奴
長谷川 時雨
「婦人画報」1920(大正9)年2~4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,999 字 · 53 页
その折、近くに開かれる仏蘭西の博覧会へ日本劇を持込んではとの相談が来た。
それこそ、新生活を開拓しよう、無人島へでもよいから行きつこうと思っていた夫婦には、渡りに船の相談なので、一も二もなく渡航と定め、川上一座一行廿一人は結束して立った。婦人はその中にたった二人、いうまでもなく一人は奴で、一人は川上の姪の鶴子(在米活動俳優として名ある青木鶴子、後に早川雪洲の妻)で、奴は単に見物がてらの随行、鶴子は彼地で修業するのが目的であった。
亜米利加のサンフランシスコに一行は上陸した。仲に這入った人の言葉ばかりを真に受けて、上陸後四日間ばかりをうやむやに過してしまうと、仲人は逃亡してしまった。知らぬ間に川上の名義で借入れられた莫大な借金が残っているばかり、約束になっているといった劇場へいって見れば釘附けになって閉されている。開演しさえすればとの儚ないたのみに無理算段を重ねていた一行は、直に糊口にも差支えるようになり、ホテルからも追出されるみじめさ、行きどころない身は公園のベンチに眠り、さまよい、病犬のように蹌々踉々として、僅かの買喰いに餓をしのぐよりせんすべなく、血を絞る苦しみを忍んで、漸くボストンのカリホルニア座に開演して見たものの、乞食の群れも同様に零落れた俳優たち、それがなんで人気を呼ぼう、当ろうはずがなかっ