轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
モラトリアムしつぎ
モラトリアム質疑
宮本 百合子
「アカハタ」1946(昭和21)年2月23日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,761 字 · 4 页
たでしょう。
払出額、世帯主月三百円、一人ます毎に一〇〇円ずつ増加というのを読んで、ふと、どこからかそれだけの金が支払われでもしそうな錯覚を起したものは唯の一人もなかっただろうか。一人当り一〇〇円ずつ引出せば、家内何人でもやって行けるというのは、多額の預金をもつ人々だけの安心である。今日の社会は、もう去年の秋と異って来ている。モラトリアムをしかなければならないということは、とりも直さず、日本全国の正直な人民生計は赤字の破局で、貯金も使い果した危機を語っている。だからこそ、モラトリアムではなかろうか。そうだとすれば、どこの家の家計簿も、やすやすと世帯主三〇〇円、一人ます毎の一〇〇円也の預金引出しを算出しかねるわけである。この一点からも、モラトリアムで本当に困るのは、やっぱり金を持たぬ多数者というこれまで政府がとって来たおなじ方向の一つなのである。
モラトリアムを肯定したとして、物価とのにらみ合わせはどうなるだろう。限界価格をきめて闇値の半分ほどにすると予定されている。そうならなくては、人民の生命は益々脅かされる。
生活必需品に対してそういう手当をする政府は、つい先頃、国鉄運賃大幅値上げをした。