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ルルとミミ

ルルとミミ

とだ けん

「九州日報」1926(大正15)年3~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,628 字 · 24 页

青空文庫

村の人々は皆、ルルとミミを可愛がって育てました。そうして、いつもルルに云ってきかせました。

「早く大きくなって、いい鐘を作ってお寺へ上げるのだよ。死んだお父さんを喜ばせるのだよ」

ルルはほんとにそうしたいと思いました。ミミも、早くお兄さんが鐘をお作りになればいい。それはどんなにいい音がするだろうと、楽しみで楽しみでたまりませんでした。

二人はほんとに仲よしでした。そうしてよく湖のふちに来て、はるかにお寺の方を見ながらいつまでもいつまでも立っておりました。

「おおかたお寺の鐘撞き堂を見て、死んだお父さんのことを思い出しているのだろう。ほんとに可愛そうな兄妹だ」

と村の人々は云っておりました。

「水が濁るとよくないことがある」

と云われていた湖の水晶のような水が、またもすこしずつ薄黒く濁りはじめました。村の人々は皆、どんな事が起るかと、おそろしさのあまり口を利くものもありませんでした。しまいにはみんな顔を見あわせて、ため息ばかりするようになりました。それでも湖の水は、夜があけるたんびに、いくらかずつ黒くなってゆくのでした。

その時にルルは、お父さんが残した仕事場に這入って、一生懸命で鐘を作っていました。