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ルルとミミ

ルルとミミ

とだ けん

「九州日報」1926(大正15)年3~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,628 字 · 24 页

青空文庫

お菓子屋や、オモチャ屋や、のぞき眼鏡や、風船売りや、操人形なぞがお寺の門の前には一パイに並んで、それはそれは賑やかなことでした。

ルルの偉いことや、ミミの美しいことを口々に話し合っていた村の人々は、その時ピッタリと静かになりました。

ルルが作った鐘は坊さんの手で、高く高くお寺の鐘つき堂に釣り上げられました。銀色の鐘は春のお太陽様の光りを受けて、まぶしく輝きながらユラリユラリと揺れました。

村の人々は感心のあまり溜息をしました。嬉しさのあまり涙を流したものもありました。

このとき、ルルは鐘つき堂の入り口に立って、あまりの嬉しさにブルブルと震えながら両手を顔に当ておりました。その手を妹のミミがソッと引き寄せて接吻しました。

兄妹は抱き合って喜びました。

「お父様が湖の底から見ていらっしゃるでしょうね」

けれどもまあ、何という悲しいことでしょう。そうして又、何という不思議なことでしょう。

お寺のお坊さんの手でルルの作った鐘が鳴らされました時、鐘は初めに只一度微かな唸り声を出しましただけで、それっ切り何ぼたたいても音を立てませんでした。

ルルは地びたにひれ伏して泣き出しました。