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レーリーきょう(ロード レーリー)
レーリー卿(Lord Rayleigh)
寺田 寅彦
「岩波講座 物理学及び科学」岩波書店、1930(昭和5)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,439 字 · 55 页
「実にあの講義は驚くべき芸当だった。午前の講義を聞いていると、たった今、朝食のときに吾々の話していた問題がもう講義の種子になっているのを発見することがしばしばあった。」また母への手紙にもこの講義が「例のタムソン式で、つまり情熱的で、取り止めもなく声を出しながら考えるという行き方」であったと評している。
カナダから帰るとすぐケンブリッジへ辞表を出した。在職五年間に出した論文の数は六十余あった。「あの調子で永くはとても続けられなかった」というのが後年の述懐であった。
郷里ターリングに引上げてから、自分の研究室の準備にかかった。厩の二階の物置を二つに仕切って一方を暗室とし、壁と天井を、煤とビールの混合物で塗った。この室の両窓にヘリオスタートを取付け、ここへ分光器その他の光学器械を据え付けた。片方の仕切りにはテプラーポンプや附属のマノメーターなどを置いた。後にアルゴンの発見されたのはこの室であった。感応コイルの第一次電路をピストルで切る実験もここで行われた。この室と煉瓦壁を隔てた一室が寝室であって、この隔壁に穴をあけて音響学実験の際に便利なようにした。実験室の階下が工場で、その隣室の「学校部屋」