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せんきゅうひゃくにじゅうしちねんはるより

一九二七年春より

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,982 字 · 21 页

青空文庫

床壁、緑っぽき黒の砂壁、その前に花の色、実に落付いて美しき調和。

絵――油、にかきたい心持がした。

恐ろしい風の吹く深夜

月皎々

黒龍のような雲

白い花

硫黄山

五月 那須

○いし子

○きみ子 色気あり

Y「さあこれから行って寝よう」

キ「眠らせませんよ」

きみ子 びわ師がいい人、

○みどり

米問屋の女房、その手下の男との話

「さよう、さよう」

「いくら私共が御迷惑をかけまいと思って居たって、親銀行が困って居るんですから」

「全くですな」

「地震の年ですかな、その次の年でしたかな、鈴木商店が潰れて随分苦しみましたぜ」

「いや、やっぱり車輛課長」

「随分然し家へなんか居催促でしたよ、執達吏が来るかと思って心配しましたよ」

夢

六月九日

原稿のつぎばりをしようとして小さい鋏をつかう拍子に

「おや、これは先がつぶれて居ない」

奇妙に思い、この鋏の先がつぶれたのは夢の中のことだったと思い出した。つづいて昨夜のもう一つの夢思い出した。それは柔かい緑色の若葉の梢の中からいくつも、いくつも黒蝶のように雛鳥の黒いのがかえって舞いたつ。驚いて見て居るとだれかが 何とか鳥です と云った、その名 一寸美しかったのだが、覚えず。