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みっつの「おんなだいがく」

三つの「女大学」

宮本 百合子

「婦人公論」1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,822 字 · 14 页

青空文庫

やはり、「女大学」が天下の至言として流布された、そのような社会のとざしのなかに生きなければならなかった女の切ない境遇、その悲劇が芸術化されたからこそ人々の袖をしぼらせたのであったと思う。

日本でこのような「女大学」が現れた十八世紀のイギリスでは、女のおかれている事情を自分たちの努力でましなものにしようとしてモンタギュー夫人が率先して、二世紀も後に日本へその名がつたわった「青鞜」がすでに組織された、ということも、何か私たちには忘れられない。

ところで、この益軒の「女大学」を、明治の偉大な啓蒙学者であった福沢諭吉が読んで、「女大学は古来女子社会の宝書と崇められ一般の教育に用いて女子を警しむるのみならず女子が此教に従って萎縮すればするほど男子の為めに便利なるゆえ男子の方が却て女大学の趣意を唱え以て自身の我儘を恣にせんとするもの多し。(中略)女子たるものは決して油断す可からず」と、熱烈周密なその「女大学評論」を著しているのは、今日顧みてまことにつきない感想を誘われる。日本の社会の習慣や男の生活を具体的に観察すれば、「我輩は女大学よりも寧ろ男大学の必要を感ずる者なり」