轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんりょうせいべえとめいばあさづき

三両清兵衛と名馬朝月

安藤 盛

「少年倶楽部」講談社、1931(昭和6)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,144 字 · 17 页

青空文庫

悲しい籠城

清兵衛は血槍で、そこに開けた道を指してさけんだ。

宍戸備前守は、そこをまっしぐらに城へと馬を走らせた。

悲しい籠城

有名な蔚山籠城の幕は、切って落とされたのである。

明軍は、城の三方をひたひたとおしつつみ、夜となく昼となく、鉄砲をうちかけた。

明軍にかこまれると、すぐに糧食はたたれてしまったが、味方の勇気はくずれなかった。よくかためよく防ぎ戦った。だが難戦苦闘である。柵はやぶられた。石垣のあたりには、敵味方の死者がころがった。鼻をつく鮮血のにおい、いたでに苦しむもののうめきは夜空に風のようにひびいた。

城中には飲む水さえなくなった。

「なにくそッ」

将士は、額から流れて兜のしのびの緒につららになった汗をヒキもぎり、がりがりかんでかわきをとめながら戦った。食うものがすくないので、しかたなく馬をほふってたべねばならなくなった。

「拙者の馬をころすやつがあったら、この腰の刀に物いわせるぞ」

清兵衛はがんばった。そして、日に一度ぐらい渡されるにぎりめしを自分は食わずに馬に食わせたり、また、戦場にころがった明兵の腰から、兵糧をさぐって朝月にあたえた。

「清兵衛の馬をいかしておくのは、もったいないな」