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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9、10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,806 字 · 87 页
顔だちも妾とは違ってメロンのようにまン丸かった。
その安宅という青年が邸に来たとき、妾は彼があまりに年端もゆかない様子なのを見て、一体何の用で来たのか会ってみたくなった。それで客間に招じて応接してみると、やはり用というのは、自分こそは貴女の探している双生児の片割れであろうと思ってやって来たというのであった。
「嘘を仰有い。あんたは一体いくつなの。妾よりも五つ六つ下じゃないの」
と妾は少年――でもないが、その安宅真一を頭から揶揄った。
「そんなことはないでしょう。僕、これでも二十三か四なんです」
「あら、妾が二十三なのを知ってて、わざとそんなことを仰有るのでしょう」
「いえいえ、そんなことはありません。本当に二十三か四なんです」
「二十三か四ですって、三か四かハッキリしないのは、一体どういうわけなの」
安宅青年はそこで物悲しげに眉を顰めてから、
「実は僕は親なし子なんです。兄弟があるかどうかも分っていません。どうにかして小さいときのことを知りたいと思って気をつけていたところへ、あの新聞広告が眼についたのです。世の中には似たような人もあるものだナと思いました。とにかく伺ってみればもしや自分の幼いときのことが分る手懸りがありはしないかと思って、それでやって来たというわけです。