轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんにんのそうせいじ

三人の双生児

海野 十三

「新青年」1934(昭和9)年9、10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,806 字 · 87 页

青空文庫

つまり妾のはらからにしても、またそれを云いつけた妾の母にしてもが、折角持ってきてやったものを殆んど見向きもしないで、ただ妾が、

「いいカンカンでしょ、ばア……」

と同じことをやるのに対して、たいへん悦び合うのだった。だから妾はたびたび庭に下りさせられるのがすこし不満になった。あまり悦ばれもしないのに、そういちいち力を出して花や草を折ってくるのが莫迦らしくなった。それで一度に草花を沢山とって懐中にねじこんで置き、母が庭へ下りて取ってこいと云いつけると、待っていましたとばかり、懐中からヒョイと草花を取出して格子の中に投げ入れたのだった。すると母は顔を赤くして、そんなずるいことをしてはいけない、すぐ庭に下りて新しいのを取ってくるようにと恐い顔をして云いつけるのであった。妾はまたしても無駄骨でしかないことを庭に降りて繰りかえさねばならなかった。その代り、母たちは妾の手折ってくる花や草が、たとえ破けていようが、汚れていようが、決して叱りはしなかった。とにかく妾は必ず庭に一度降りてきて、それからまた座敷に上ってきて、もう一度はじめから同じことをして、かの不幸なはらからを慰めることが必要であったのだ。