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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 页

青空文庫

芝居ですると、団十郎だ」

「芝居でも、船の底へもぐるなんざ出来やしめえ。俺ら、明日から一つ、贔屓にして――墓は、何処だろうな。一つ万燈を立てて、町内で、お参りしようじゃねえか。こんなお墓の石をもっていると、女の子に振られねえぜ。政公なんざ、石塔ぐるみ、背負ってるといいや」

「へん、背負っているのは、女の子だ」

「何を、借金と灸のあととだろう」

「一体、何んて野郎が、大作を討ったのだい」

「さあな、聞いてたが忘れたが――」

「そいつの邸へ、犬の糞を、投込んでやろうじゃねえか。ねえ、お侍さん、御存知じゃありませんか――おや、いねえぜ、二本棒あ」

「何んじゃ」

「うわあ、お出なさいまし、今晩は?」

右源太は、頭から手拭をかぶって

「熱い熱い」

と、いいながら、出て行ってしまった。

二十

「羨ましいな、右源太。当節、百石の加増など、一生かかっても、有りつけんぞ」

玄関際の、詰所――小さい庭から、差込む明りだけで、薄暗くて、冷たい、部屋の中で朋輩の一人がいった。

「そうでも無い」

右源太は、扇子を、膝へ立てて、羽目板へ凭れて、微笑していた。

「まず、重役に妾の世話をするか――己の娘を、差上げるか、そんな例は多いが、これこそ、槍先の功名に等しいからのう」