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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
上下一対ずつの四つのヒレがよく働き、まだ身体のわりに小さい丸い尾ヒレはプロペラのように動いた。
このふしぎな魚に対し、カンノ博士は「水棲魚人」という名をつけた。
正吉たちが、水棲魚人ともみあっている間に、カンノ博士とスミレ女史は、装置を草むらにすえ、脳波と音波の集録をした。
光る円筒
カンノ博士とスミレ女史は、集録してきた水棲魚人のことばと脳波の分析研究のため、艇内の実験室に引きこもった。
複雑な装置を働かせ、めんどうな分析をつづけていった結果ついに博士たちは、予定していた以上の収穫を得た。
ちょうど、正吉が、その部屋へはいったときは、輝かしい結果が出た直ぐあとだったので、カンノ博士とスミレ女史は、疲れ切った顔に、興奮の色を浮かべながら、正吉にこの研究の成功を話した。
「水棲魚人のことばが、分ったんだ。水棲魚人の脳の働きも分った。やっぱり、水棲魚人は、普通の魚ではなく、高等生物だということが分った。おそらくこの水棲魚人こそ『火星人』の正体であろう。つまり、火星では、あの水棲魚人が一番高級な生物だということになる」
「じゃあ、あの怪魚は、地球でいうと、人類の位置を占めているわけですね」