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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
ともかくも、水棲魚人がこたえた要点を、次にしるしておこう、
「あんなものは、はじめて見た……空を、あんなものが一つか二つとぶのを見たことはあるが、あんなにたくさんとんできたのは、はじめてだ……いつまでも、全体があんなに光っているものを、今まで見たことはない……一つか二つでとんできて、その中から生物がぞろぞろ出てきたことは、今までにもある。君たちも、その一例だが君たちではなく、もっと身体の形のちがった者が来たこともある。彼らは、ながくいなかった。みんな帰ってしまった……彼らは、われわれの仲間をつれていった。それっきり、帰ってこない。君たちは、そういうわるいことをしないようにしてくれ……めずらしい、うまいたべものをたくさん、われわれにくれ……」
水棲魚人からはこんなことしかきくことができなかった。
しかしこのかんたんな返事の中からも、重大な発見がいくつかあった。
すなわち、光る怪塔は、はじめて見るものであるということ。
人類以外の生物が、今までに、この付近へ着陸したことがあること。
この二つは、非常な重大なことであった。大警戒が必要となった。あの怪塔から、人類以外の生物がとびだしてくる可能性は十分にあるのだ。