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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
マルモ隊長は、ついに争闘を命令した。
このらんぼうなる異人の一団は、何者であろうか。
大暗闘
なにしろその異人たちはなかなか力があって、マルモ探検隊員は圧迫されがちであった。その上に人数も相手の方が倍ぐらい多いのである。形勢はよくない。
隊員たちは武器を持っていないわけでなかった。だがマルモ隊長は、それを使うことを命じなかった。隊長としては、出来るだけ平和的手段でもって事をかたづけたかったからである。だが、困ったことに、相手とはことばが通じない。電波を出して、
「もしもし、君たち、らんぼうは、よしたまえ。話があるなら聞きますよ」
と呼びかけても、相手はさっぱり感じないのであった。
その上、相手は力がある。マルモ隊長は、隊員を一つところにあつめて円陣をつくり、まわりからおどりかかって来る相手めがけて、そのへんにころがっている大きな岩石をなげつけさせた。そうして相手を近づけないようにするためだった。
月世界の上では、同じ大きさに見える岩石でも、地球の上で感ずる重さの六分の一にしか感じない。だから大きな岩石を隊員はかるがると持ちあげて遠くまでなげとばすことが出来た。