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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
おまけに夜の闇は深くて、相手の姿をしかと見つけるのも容易なことではなかった。
(これは手おくれとなったかな。もっと早く、武器をとって相手をおっぱらうのがよかったかな)
隊長も、さすがに暗い気持ちになった。
たしかに手おくれに見える。このままでは、一同は、異人群のために捕虜になるか、うち殺されるかのどっちかだ。
ああ、重大なる危機来る!
そのときだった。とつぜん異人たちがさわぎだした。装甲車の上にいた異人が四人、五人、風にさらわれたように吹きとばされたのである。とまたつづいて四、五人が、下にもんどりうってつきおとされた。
「や、カンノ君が、かけつけてくれたぞ。カンノ君は機銃で異人たちを射っているそうだ」
マルモ隊長の受話器にも、他の隊員の受話器にも、カンノ博士の声がはいって来て、一同をはげました。
カンノ博士と正吉少年と、その他に三名の隊員が、装甲車の上から、異人たちにもうれつな機銃の射撃をおくっていた。他の一人の隊員は、その装甲車を操縦した。ヘッドライトは消して近づいたので、異人たちは、ふいをくらった形だった。
この機銃は、普通のように金属の弾丸を射ち出す機銃ではなかった。