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さんじゅうねんごのとうきょう
三十年後の東京
海野 十三
「少年読売」1947(昭和22)年10~12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 13,731 字 · 28 页
いったいどうしたわけであろう。博士は何をしていたのであろうか。
正吉のそんな話を、みんなはおもしろく聞いた。そしてモーリ博士の安否はいずれしらべてあげましょう。それはそれとして、まず久しぶりにかるい食事をなさいといって、正吉を食堂へ案内して流動食をごちそうした。
少年は思いのほか元気であった。例の四人組の外に、東京区長のカニザワ氏と大学病院長のサクラ女史が少年をとりまいていたが、少年は三十年前の話をいろいろとした。そして三十年後の東京がどんなに変っているか、あまりに変っているのでそれを見物しているうちに気がへんにならないであろうかと心配したりした。
「大丈夫です。あたしがついていますもの。すぐ手あてをしてあげます」
と、女医サクラ博士は、すぐこたえた。
「ねえ、小杉君。君はまず、はじめにどこを見物したいですか」
と、カンノ博士はきいた。
「そうですね。まず第一に見たいのは、三十年前に、ぼくの住んでいた東京の銀座をみたいですね。同じところを歩いてみたいです」
少年は、なつかしげに銀座の名をいった。
「よろしい。ではすぐ出かけましょう。しかし、あなたは少々おどろくことでしょう」