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さんねんまえ
三年前
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,816 字 · 4 页
とおす。後にまわった、又、オシとばす。又前にまわる。身をよけたので※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)は前のかきねにぶつかって「ココッ」と叫んで又こりもなく向って来た。わきにあった棒切をひろって死物狂にふりまわす。始めこそ面白半ぶんにからかって居たからこそ、ほんとになっては面白いどころのさわぎではない。顔をまっかにしてたたかう。敵はますます勢がよくついてくる。こっちはますますおじけづいて思うように手も出ない。だんだん垣根の方においつめられてとうていかなわなくなったから敵のすきを見てにげるに越した事はないと思って力まかせに棒をふりまわして置いて一生懸命に逃げ出した。ごんぺいじいの家から祖母の家まではあぜ道を五十歩ぐらい走れば行かれる所である。内の地内に住んで居るから、もうすこしで椽側につこうとした時急に敵が人の足をつついた。私はたまらなくなって「にわとり――」と叫んで草履のまま椽に飛び上った。茶の間で新聞をよんでいらっしゃったお祖母様はおどろいてとんで来て下さった。私が草履のまま椽に上って棒切をにぎって居るのでびっくりして「まあどうしたのだい、そんな風うして。