轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんがつのだいよんにちよう

三月の第四日曜

宮本 百合子

「日本評論」1940(昭和15)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,826 字 · 42 页

青空文庫

そこで女が洗濯物をひろげている。一方に板戸棚のついた十二畳のその部屋に店の若い者みんなが寝起きしているらしく、往来に向った窓際にもこっちの窓の下にも小さい机が三つ四つ置いてある。後はがらんとして、ガラス越しの日光が琉球表の上に斜めにさしこみ、何処やらに男くささが漂っている。吻っとしたような安心しきれないような眼つきでサイは机のあたりや戸棚のあたりを眺めた。兵隊に出る年までには商業も出してやるという話で、勇吉は来ているのであった。

朝飯が出来たら呼ぶからと云って迎えに来た女が降りて行ってしまうと、忙しいような静かなような四辺に折々電話のベルがきこえて来る。暫くしてサイが、がらんとしたその部屋のひろさに押されたような小声で話し始めた。

「姉ちゃん、けさ大まごつきした。なんで時間はっきり知らさなかったのよ」

「おらもはっきり分んねかったんだもの」

「――うち変りなしか?」

「うん。母ちゃんが、姉ちゃんに負けん気だして、辛えの無理しんなって、よ。帰りたかったらいつでもけえって来って」

サイは、

「母ちゃん、そんなこと云ってた?」

と何気なく笑ったけれども、その言伝は心にしみた。