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ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页

青空文庫

│    岸野殿                  │

└─────────────────────────┘

この決議は岸野の出鼻を挫いた。

七之助からの手紙には、「工場」も動き出して来たと書かれていた。

情報、九

二十四日の「官憲糾弾演説会」当夜に於ける、官憲の血迷える醜体! 剣を短く吊った(イザッて云えばすぐだ!)警官を百人も会場の内外に配置する。会場の周囲には、要所要所に縄を張って、交通を遮断し(これでも交通妨害にならないから不思議だ。)来場の聴衆を一々誰何し、身体検査をもって威怖せしめるのだ。

印刷屋にはスパイを派して、ビラの印刷を妨害し、会場会場の先廻りをしては「あんな奴等に貸せば、会場を壊されるぞ」と威圧的に、明かに「営業の目的」を迫害している。

然し、此等の弾圧こそ逆に我々の闘争をより強固に、固く結びつかせるに役立つのだ。

一緒に仕事をしているうちに、健は「ツンツンした」女にひきつけられてきた。

「節ちゃがね、健ちゃは魔がさしてるんだって、悲しそうにしてたよ。」

そう云って、キヌの妹がキャッキャッと笑った。勝気らしく仕事をテキパキと片付けて行った。