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ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页

青空文庫

――とうとうそう云った。

「俺……俺一緒にならない。」――健は苦しかった。

「…………※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

暗かったが、節の顔が瞬間化石したように硬わばったことを健は感じた。

「……考えることもあるんだ、俺小樽から帰ってから毎日毎日、一月も考えた。……考えたあげく、とうとう決めることにしたんだ……俺は、旭川さ出る積りだよ。」

「……何しに?」

「うん?」

「何しによ?」

「後で分るよ……」

「…………」

――節は健のうしろにまわしている手を、何時の間にか離していた。

健は固い決心で旭川に出て行った。キヌの妹が見送ってきてくれた。

彼は、そして「農民組合」で働き出した。

――一九二九・九・二九――