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ふしぎなとり

不思議な鳥

小川 未明

「趣味」1910(明治43)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,797 字 · 16 页

青空文庫

私は暫らく佇んで、是等の物悲しい、静かな景色を眺めていたが、急に鳥を撃つのは可哀そうだというような感がして、その儘墓場を出ると普通人の通る村道に出た。

「斯様淋しい国に何時迄居られよう。早く快活な国へ――もっと南の暖かな国へ行って住みたいものだ。」

……と考えながら、下を向いて歩いて来ると、突然猟師の息子の吉太に出遇った。吉太は頭から藁を編んだ長い後方に迄垂れ下る妙な帽子を被っていた。彼れの眼は梟のように円く黒く大きかった。頭髪は艶く縮れていた。彼は十五六であったが余り性質がよくなかった。小学校は中途で退校を命ぜられた。村の子供を苛めて、子供の持っている銭を取上る、町へ出ては商家の隙を覘って品物を盗んで来る。だからこの吉太を善く言うものはなかった。

「おい吉太、この雪に何処へ行く。」と聞いた。

吉太は藁帽子を片手で少し上げて、眼の好く見えるようにして私を見た。気味の悪いような、また何処か嘲けるような笑いをした。

「何か捕れましたかえ。」といった。

「いや、撃つのを止めて帰るのだ。」

「お前は何処へ行く?」

と私は聞いた。

「町へ行くだ。」と彼は、私の銃の砲先を見ていたが、