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ふちんぐんかんのみほん

不沈軍艦の見本

海野 十三

――金博士シリーズ・10――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,749 字 · 24 页

青空文庫

「ルーズベルト君。この艦はもっと速度が出るのじゃないかね」

「うむ、それはその何だ、むにゃむにゃ。あああれか。あれが博士の率いてきた驚異軍艦ホノルル号か。うむ、すばらしい。全く浮かべるくろがねの城塞じゃ」

「うふふん、そうでもないよ」

「いや、謙遜に及ばん。余は、ああいう世界一のものに対して、最も愛好力が強い」

と、ルーズベルト大統領は艦橋から身体をのりださんばかりである。

「さあ、どうか御遠慮なく、あのホノルル号を砲撃せられよ」

「やってもいいのか。しかし……」

大統領が、訝しげに博士の方を振りかえった。

「どうぞ御遠慮なく」

「でも、実弾をうちこむと乗組員に死傷が出来るが、いいだろうか。尤も死亡一人につき一万弗の割で出してもいいが……」

「弗は下がっているから、一万弗といっても大した金じゃないね。とにかくそれは心配をしないでよろしい。早速砲撃でも何でも始めたまえ。早くキンメル提督に命令したがいいじゃないか」

「キンメル提督? ああ神よ、彼の上に冥福あれ。おい、ヤーネル提督、砲撃方始め」

「オーケー、フランキー」

と、そこで両洋聯合艦隊司令官ヤーネル提督は、電話機をとって、砲撃命令を下したのであった。