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よのなかのために
世の中のために
小川 未明
「少国民の友」1947(昭和22)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,184 字 · 9 页
「いま君は、佐倉宗吾といったから、それでいい。ああいう正しい人が、ただ一人だったから、あんな最後になったが、でも、一人の力が、どんなに大きかったかわかるだろう。もしあのような人が、十人、二十人とあったらどうか、そして、百人、二百人とあったら、もはやいかなる悪い、また暴力をもつやからにたいしても恐るるに足らぬと考えないかね。これを見ても、一致協力する以外に、世の中を明るくする道はないのだよ。」と、叔父さんは、いわれた。
こう聞いたとき、僕の頭の中へ一すじの金色の明るい光線が、天からさしこんだような気がしました。
「いままで、運命といって、あきらめたことも、協同の努力で、征服することができるんですね。」
「そうだ、真理に奉仕する、野口英世のような人が出れば、これまで発見の困難とされた病菌とたたかって、人間を死の恐怖から、解放するであろうし、そういう科学者が幾人も出れば、どれほど、世界を明るくし、人類を幸福にみちびくかしれない。」
こう、叔父さんは、おっしゃったのでした。なんで僕はこの言葉に深く感激せずにいられましょう。
「よくわかりました。」と、頭を下げて、立ちかけると叔父さんが、