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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『雪華図説』の研究、『雪華図説』の研究後日譚、兎の耳、英国の物理学界と物理学者、温泉1、米粒の中の仏様、清々しさの研究の話、墨色、大謀網、長崎留学、鼠の湯治、民族的記憶の名残、室鰺、雪協議会の報告、真夏の日本海。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 页
それで兎の耳の効用の一つとして、体温の調節に何か役立つのではなかろうかという点に気が付いた。それで早速薬品をつけて兎の耳をとってしまった。それに前と同じように硫黄を注射して見たら、果してどんどん体温が上ったので、これある哉と思ったそうである。
Tさんは別に動物学者ではないのだから、兎の耳の効能を研究したのではない。従ってこんなことは、動物の方の専門家に言わせたら、とっくに分っていることかも知れない。しかしそんなことは初耳だという動物学者もあるところを見ると、案外知られていないことかも知れない。それはどうでも良いこととして、この話は私には大変面白かった。それというのは、兎ならまだ幾分人間に近いかも知れないが、この頃は鳩なんかでやってみた実験の結果を、すぐ人間に適用しようという話が新聞に出たりして、少々悸えていたからである。
こんなところで引き合いに出すのは気の毒なのであるが、この頃胚芽米が大変に普及して、そして評判もよいらしいので、その勢いが溢れて、白米禁止というような話が一時要路の人の間に本気で論ぜられるまでに到ったので驚いたことがある。もっともその話は沙汰止みになったようで、安心したのであるが、とにかく一度は閣議の席上での論議にまで上ったのであるから、本気の話としたら、またいつぶり返すかも知れないので