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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『雪華図説』の研究、『雪華図説』の研究後日譚、兎の耳、英国の物理学界と物理学者、温泉1、米粒の中の仏様、清々しさの研究の話、墨色、大謀網、長崎留学、鼠の湯治、民族的記憶の名残、室鰺、雪協議会の報告、真夏の日本海。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 页
こういう風に見ると、物理学の場合と、生物学あるいは文化科学めいた学問の場合のように、まるでかけ離れた領域でも、研究の方法あるいは思考の型とでもいうべきものが、全く同様な場合もあるようである。もっともそういうことは従来も度々いわれているので、別に耳新しいことでもないが、ただある量を一つの要素として採用するよりも、その時間的あるいは空間的の変化を見た方が、現象のさらに詳しい説明が出来るという良い例が、文化地理学にも気象学にも見られるという点は、一部の読者には興味があることであろう。
物理の場合には、今いったように、ある数値で表わせる量自身を採用するよりも、その変化に着目した方が一歩進んだ結果が得られる場合がしばしばあるが、その外にも極微量の含有物がとんでもなく大きい影響を生ずることがあって、従ってその極微量の物質の影響を調べることによって、研究が飛躍的に進歩する場合がある。研究の初期においては、その極微量の物質の検出が出来ないために、まるで原因なしにある結果が生じたような形に見えて、何のことか分らなくなることが多い。例えば、普通の意味で綺麗に洗った硝子の表面とか、純粋な汚れのない絹布とかいうものは、大抵はその表面に極微量の有機物、例えば手の脂というようなものが付いている。