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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页
一方酪農は、地力保持の点からいっても、日本人の体位向上の面からも、大いに奨励すべきであるが、安定した酪農をやるには、少なくも六、七頭の乳牛を要し、住居、厩舎、サイロなどを入れると、最小限度三百万円くらいの資本が要る。長期農業金融の利子六%が、現在最低の利子であるが、それでも毎年十八万円になる。それだけの利子を払い、元金を幾分でも償還しようとしたら、経営は非常に困難である。
「北海道には北海道らしい農業」というのは、目標としてはそのとおりであるが、実現には非常に巨額の投資を必要とする。もちろん現在以上に不利な条件のところにまで、水田を拡張することはよくないが、北海道の水田米作が失敗だったとはいい切れない。
私なども初めは、北海道で米を作るなどとんでもないと思っていたが、終戦後、農業物理学の研究を始め、暫く北海道の農村に住んでみて、少し考えが変ってきた。要するに北海道の畑作農業が惨めすぎるのである。
この問題は、非常に複雑な性質のものであって、外にいろいろな見方もあろう。軽々に論断するつもりはないので、従来よりももっと現地に即した調査や研究が欲しいという例として、提出しただけである。