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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页

青空文庫

と言った。

小林勇は、名葬儀委員長として、既に令名がある。露伴先生とか、茂吉先生とかいう級の人になると、御弟子も多く、世間的にもいろいろかかわり合いがあって、葬儀委員長はなかなかむずかしい。そういう場合に、勇だと巧く納まるのであるから、大したものである。露伴先生の葬儀委員長さえつとまるのだから、うちの娘の結婚披露の司会くらい何でもなかろう。少しもったいないが、折角言ってくれたのだから、全部任すことにした。

披露の会は、たいへんな「盛会」であった。カクテル・パーティだったが、カクテルが一杯廻ったら、もう大分賑かになってきた。安倍(能成)さんが上機嫌で、まず挨拶ということになったが、謡で鍛えたあの立派な声であるから、マイクがなくても大丈夫である。うちの子供たちは、小さい頃から、安倍さんとはお馴染みになっている。昔伊東で療養をしていた頃、正月休みに安倍さんの夫妻も伊東へ見えていて、亡くなった男の子は、よく安倍さんの肩車に乗せて貰ったものである。当時まだ幼稚園へ行っていた長女が、「おじさん、私も乗せて」とせがんだが、「女の子は駄目」と断られたことがある。