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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页
選抜試験というのは、どんなに成績がよくて、入学資格は十分ある学生でも、外にもっとできる学生がいたら、落第させてしまうという残酷な制度のことである。アメリカには、医学関係を除いては、こういう制度は、まずないといっていい。医学の方は、医師会の強力な統制が効いているためで、これはまた別の問題である。
何故入学試験(選抜試験)がないかというと、官立と私立とでは、その理由がちがう。官立では、話がきわめてはっきりしている。官立の学校の費用は、全部税金で賄われている。教授の月給ももちろん税金から支払われる。学校は納税者のものなのである。その子弟が、自分の家へはいって行くのに、教授とか学長とかいう召使が、それを阻止する理由はない。これが民主主義なのである。学生のストライキがないのも、同じ理由による。大学は納税者のものであるが、学生の父兄だけの税金で賄っているのではない。他の納税者にも負担をかけているわけであるから、そういう税金を空費する行動は許されない。「国民の名において」許されないわけである。教育の内容が気に入らなければ、他の大学へ行けばよい。そこにも入学試験はない。