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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页
帰国匆々の忙しい中を、二時間ばかり話し込んで行かれたが、その間、終始一貫、研究の話ばかりであった。本観測の準備のための越冬で、観測や研究の用意はほとんどなかったらしいが、西堀さんは、有り合わせの材料で、手作りの器械をつくり、いろいろな研究をしてこられたのである。その間の事情は、『越冬記』に詳しく出ているが、久しぶりで、ティンダルやファラデーの時代に返ったような気がして、非常に楽しかった。
ところで南極で調べられた雪の結晶であるが、種類は非常に多く、いろいろ珍しい形のものもあった。しかし結局のところは、私たちが、北海道の大雪山や十勝岳で観測したものと、型も種類も同じものであったそうである。それは当り前のことだろう、と言ってしまってはいけないので、一応確かめておく必要のあることである。
私たちは、低温室の中で、人工的に雪の結晶をつくって、その生成条件を調べてきた。そして今までに得られた結果では、結晶が出来るときの気温と、水蒸気の過飽和度と、この二つの要素で、結晶の形がきまるということがわかった。それならば、気温と水蒸気の量とが同じければ、南極でも、北海道でも、同じ結晶が得られるはずである。