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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页
三 第一次五カ年計画の決算
遥かに突破した「税金」が、北海道の開発に使われたわけである。
しかしここでは、中央政府から直接に出た八百億円だけについて、話を進めて行くことにする。
三 第一次五カ年計画の決算
過去五年間に、国費だけでも、八百億円の金が、北海道に注ぎ込まれた。国家として、目的なしに、こういう巨額の予算を支出するはずはないので、これには立派な目標があった。敗戦後植民地を失った日本にとっては、北海道の開発が第一のホープと思われた。そして事実それは間違ってはいなかった。というよりも、今日でもそのとおりであるといっていいであろう。
敗戦後、北海道がクローズアップされたときに、まず着目されたのは、内地における過剰人口の受け入れ地としての北海道であり、今一つは食糧の増産であった。それで目標として、「人口の吸収」には百六十万人を目指し、食糧の増産は、米換算三百五十万石を計画した。すなわち五年間に内地から百六十万人の人口を受け入れ、三百五十万石の増産をすることを目的として、厖大な計画を立て、そのうち実際には、八百億円の開発費を注ぎ込んだのである。それが北海道開発第一次五カ年計画であったのである。